【ライトポエム】貧しかった母の子は
新御堂筋を走り抜けて、
住宅街に出た私は、
依然、ただならぬ振動機構にまたがって、
なにか青ざめた雲を見上げていた。
こんな雨上がりの日には
雲がちぎれるように去ってゆく
べっこうの熱を体に浴びて
機構はまた がたりと揺れた
鉄橋の影を閃光のように通り過ぎるとき、
私は こんなことを考えていた。
「貧しかった母の子は 貧しかった母を思い出す
裕福だった家の子は からの感覚でひざまづく」
何に流れゆく先の街で
寄る辺なく 雨を降る
新御堂筋を走り抜けて、
住宅街に出た私は、
依然、ただならぬ振動機構にまたがって、
なにか青ざめた雲を見上げていた。
こんな雨上がりの日には
雲がちぎれるように去ってゆく
べっこうの熱を体に浴びて
機構はまた がたりと揺れた
鉄橋の影を閃光のように通り過ぎるとき、
私は こんなことを考えていた。
「貧しかった母の子は 貧しかった母を思い出す
裕福だった家の子は からの感覚でひざまづく」
何に流れゆく先の街で
寄る辺なく 雨を降る