2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧
あの日きみを救った街が炎の下に消えてゆく。かげろうだけをそこへ残してゆらゆら、悲しみになった思い出すべてが風に乗って消えてゆく。 一人で君はこれから生きて助けもなしに歩いて行け。とてもあつい炎の雨をたった一人で進んで行け。
右のポケットに気持ちを隠して、 ぽろぽろ降ってる雨の中、 そっと僕は表に出た。 本当に、 歩くほどに気がかりで、 どんなことにも感動しないし、 踏みしめるほど違和感だ。 まだ答えは知らないが、 こんなものならおかしいと思う。 美しさが全く欠けてしま…
なにか食べたい。なんでもいいが、美味しいものがいい。だが実際は、食べるかわりに、私は眠るのだ。また反対に、多くの場合、少しでもいいから眠りたいときでさえ、私は起きて、食べはじめないといけなくなる。 さて、全くもって同じ調子で、彼はといえば、…
『君は地獄から...... があれほどショッキングだったことを思い出した。 あれが運命的になってしまったらしい。 反対に考えると、なぜ僕は一人だったのだろう。 周りを見渡す勇気がなかったか、人の心に踏み込む自信がなかったのだろうか。
バックアップをとったから端末の全部のデータを消した。すると次の瞬間、バックアップまでとったこれらのデータが不意に全部どうでも良くなってしまった。 ぽたぽたの雨に傘も持たずに歩く夕方4時の雲の下の男。学校が終わったあとみたいな子供の声。
絶叫のような月の感覚 あの日のことを思い出させて 空へ何もを浮かばせる 近づけばなお危険極まる夜の心臓 自由が彼の恐れになる あの明瞭なる共鳴する月の感覚
べっとりと血糊のような暗闇に、 落としたペンが沈んでゆく。 ああ、これでもう僕は、 何も書くことができなくなったな。 公園のベンチに寝っ転がって僕は、 計算の続きのことを考えていた。 (紙もペンもなく、あれを終わらせられるだろうか。) 故郷の夕日…
天使たちがザアザアと 雨に降られて笑い合う ただそれだけの真夜中に 僕は一人で眠るだろう 一人だけの夢の中には明日への恐怖が姿を隠して祈ることもできないままただうなされるだけの夜だろう そんな夜もしょうがないね 天使が雨に歌うなら
ひとつひとつは簡単で、大したことないことだとしても、時に結果が大変複雑になりもする。 ひとつひとつのステップが、どんな結果を導くか、自明に思えても丁寧に見たほうがいい。 「風が吹けば」と言うけれど、簡単な因果が意外な結果を生むという以外に、…
去り難き、僕。 命のジオラマ。 割れたガラスの破片がいま、 また寄り添って水になり、 この星の、 全ての人の、 涙を受けて海になる。 青く、深い、海になる。 それが命のジオラマだ。 枯れた言葉を風が融かして、 心はもうすぐ空になる。 嘘と眠りが大気を…
我々は、山を森の緑や土の色だと思っているが、空気の中に隠れた山は空と同じ色になる。遠くの山を見渡せば、空と同じでうっすら青い。 空の色とは空気の色と言ってよく、つまり空っぽの色なのだ。この星の大きな力が空のうつわを空で満たす。
今日は命のジオラマってテーマで絶対に最高の詩を書くぜ!と思ったのですが、馬鹿みてえに肩に力が入ってしまった結果、最低の詩に向かって爆進してしまいました。 これ以上行くと、本当に僕の中で命のジオラマは最悪の地獄に落ちるな、と思い、今日は適当な…
バタンと言ってドアが閉まってシートベルトを引っ張って、少しするとカチッと鳴る。 車の記憶だ。特に、車に乗るときの記憶だ。 決まりきったパターンだからその気じゃなくても覚えてしまう、なんてことない車の記憶。 この手のやつがたくさんある。俺が一番…
砂漠にサボテンを植える仕事をしている。そっちのほうが砂漠らしくて観光客にうけるといって、地方自治体が立案し、下請けの下請けとしてやっている。昨日は4457本植えたが、まだまだ作業は終わりそうにない。それにしても広いなあ。見渡す限り地平の果てま…
さようなら、さようなら、さようならを歌って笑おう。ドラムとギターはあてがある。僕は歌声は最悪だけど、盛り上げるためのやつなら自信がある。それでさよならと歌って、ある人は自転車にまたがって、また別のやつは颯爽と走り出したり、とにかく、そこで…
多分すべて君には要らないものだ。これら全ては僕にとってだけ大切だ。 これらのものは君には要らない。かわりに、君は君に本当に必要なものを持たなくてはならない。 というより、君は君に本当に必要なもの以外を捨てなくてはならない。 (たぶん君は捨てら…
青く、青く、真っ青に、 影の中へ、 影の中に立ってる僕へ、 光が、 光が溢れて届く。 影の中へと回り込んで、 僕のところへ届いてくる。 青い、青い、青い、光。 風が吹いて、風が吹いて、風が吹いて、 何も思い出せなくなる。 光がまっすぐ差し込んで、 他…
咲かねばならないその花は 星に頼まれ目を覚ます 自由の祈りを受け取って 誰のせいでもなく白い それをみて 雪のようだとあなたは思う
夏になると去り際をわきまえたように緑の葉っぱもおしまいにしてただ目立たないようひっそり静かにしてる
僕はなにか弾けるような気持ちがして走り出した。 けれども行き先が決まってるわけじゃなかったし、どこにも行くべき場所はなかった。 それどころか、どこにも行けないと知っていた。 だから僕の足は自然と止まってしまった。 それでも、心の中で僕は走り続…
世界が見せる真っ白な夢 ゆらゆら揺れる夢のゆりかご ダイヤモンドの透明な星 夕闇に似た暗い部屋 行方の知れない午前の落ち葉 名前を忘れた空の色 もう帰らない人 お別れ 補足ですが、以前Twitterでこの詩にコメント頂いたことがあり、嬉しくなってお返事を…
「計算しなさい」と聖書に書いてあったら面白いな。世界中の大学で引用されるだろう。 終わりです。こんなものは詩ではない。昨日は忙しかったのでツイートより抜粋しました。12日はすごいの書きます。
あの月は、 生前の未練にさまよう、 生きながらにして亡霊。 誰がそれを自由にできる。 過去以外で何ならば。
風に映せば白昼夢になる 小学校の小さな夢だ 空に映せば星を覆うベールになって 手が届かない雲の世界
誰にも見えない場所に置かれた小さな時計の針の音 それに合わせてただ腕を振り 規則正しく歩くだけ その時計の音だけ聞こえて音に合わせて腕を振る 腕を振る 腕を振る
青空の作る影はほんの一時のものだけど その色は 石に刻んだ言葉のように いつまでも残る あの山の全てが風に吹かれてしまうまで
寒いだけの日の夜は 月ひとつ出ていて欲しい 足音の響く駅を出たら 風ばかり吹いて欲しい それは行きがけでも構わないが できれば帰り道であって欲しい その道には名前があり 退屈の反対、という意味なのだが 本当の名前はわからない 確かにそこにあるのだけ…
プロペラの音が聞こえて目が覚めた。つけっぱなしの腕時計は朝9時で、少し寝坊したかなと思う。 寝返りをして気がつくが、見知らぬ場所だ、ここは。そういえば、寝てるときからずっと小さな違和感があった。枕の高さ、布団や着てる服の硬さなど。 布団はとに…
そんなに救いが無いわけなので、誰もその結末を変えようとしなかったし、たぶん本当に誰にも変えることはできなかったのだと思う。良くないことが起きるというのを知りながら、何も知らないふりをして、他のことを考えた。やるべきことは何もなく、あえて言…
恐れずに 暗闇の中へもただ行くだけの人へ 捧げられる言葉の行き先も知れない それをただ見届ければ もし彼の上に星空があったとしても 北極星の保証がないことを理解できる いつまでそれは続くのだろう 色も分からない花すら愛の 灯りのない人生の夜道