4月10日の詩
夜の散歩に出掛けて、通学路に沿って、道をたった一回だけ逸れて、そのまま真っ直ぐ行ってみよう。
最寄り駅からひとつだけ向こうの駅に行って、電車に乗って帰ろう。道を間違えたと思ったらGPSを使ってもいいし、飽きたらタクシーを捕まえたらいいし、帰りが遅ければ次の日の学校は休んでもいい。
できればそのとき、見たことはあるかもしれないけど、でも入ったことはいちどもないようなスーパーに入って、お茶を買おう。家の近所の公園の名前を覚えておいて、店員さんに聞いてみよう。
「○○公園ってどこですか?」
するとたぶん知らない、わからないって返ってくるから、そのときその場所はだんだん知らない街になってきてるって分かるはずだ。
そのままずっと歩こう。ひとつ向こうの駅を目指して、むかし電車から見たあの街並みが、歩いてみるとどんな風かを確かめながら、見えなかった細道を通って、ひとつ向こうの駅まで歩こう。