6月16日の詩 ヘルプ・ミー
欠片ちりぢり散りばめて
形にならない意識の破片
寂しい夕暮れ冬の図書室
愛の言葉を探していたよ
知らないことがたくさんあるとわかったけれど
どうしてここには自分一人しかいないのだろう
空はすっかり焼けていって
こんな遅くに図書室に、一人でいてもいいのだろうか?
そもそもここは一体どこで、いつの時代の記憶だろう?
知りもしない学校の、通わなかった図書室になぜいるのだろう?
言葉探しの仕事はまだ山のように残っているが
空を焼いた火が落ちて
校舎も炎に包まれた
染みのようにページが焦げて
砂のように散ってゆく
欠片となってちりぢりに
形にならない本の破片
もう寂しくない一人の夜冬の焼け跡
帰り道を探すばかり