イデオロギーの入った詩
「猫と世界多解釈」
飼っていた猫が死んだ
人工的かもしれないけれど
寄り添いあい支えあって暮らしてきた家族だった
彼女の死はどこでどうして報われるだろうか
それとも彼女の命にははじめから欠片ほどの意味もなかったというのか
彼がそうしたように私も思いを巡らせる
救いを得られた者と名の下に可能性を奪われた者のことを
人間はあらゆる事象にかりそめの意味と無意味の無限の螺旋を見出だす
血や肉や骨といった物は洞窟の壁に映し出された影にすぎない
さもなくばあらゆる命の虚しいことを認めることになるだろう
それゆえに
白々しい熱狂には冷笑を以て応えねばならない
終わりです。あとから修正したりするかもしれません。納得いかないですが、上手く作ろうとすると終わりがないのでいったん完成にします。
僕は猫を飼ったことがありませんし、当然その死も経験したことはありません。ただ単に詩の体裁のためだけに猫の死を語りました。つまり白々しい熱狂とは僕自身のことであり、もっとも嘲笑われるべき人のうちのひとりに自分自身がなってしまっているというのが面白いところです。(言わないと誰にも伝わらないことですので、自画自賛してしまいました。)