4月6日の詩
お腹すいたなと思って、真夜中の台所でリンゴを食べました。
すると、むかし母もそうしていたなと思い出しました。
遠くを走る車のタイヤが路面と擦れる高めの音が時々聞こえてくる、それから冷蔵庫のちょっと不気味なうなり声みたいな音がする、そして頼りなげなキッチンの照明だけついていて、それが部屋のすみっこを余計暗く感じさせる、そういう深夜のキッチンでした。
そういうキッチンだけが好きで他にはなんにも好きじゃない。
今になって、あのときみたいにリンゴをかじる人を見るんじゃなく、むしろ自分自身が立ってそこでリンゴをかじっても、ぜんぜん思い出の中の真夜中の台所にはなりませんでした。
終わりです。今日は夜の台所とリンゴの詩