4月15日の詩
さざなみの音が聞こえるという貝殻を耳に当てて午後六時過ぎアニメが流れ夕飯を作る音が聞こえて僕はずっと貝殻に耳を澄ませていました。
鞄に好きなおもちゃを入れて町を歩いてその頃はひとりどこかへ行って眠りについたその日の夜に夢の中で日の出る夜のその町をまた歩きました。
日の出る夜のその町は僕だけの町でしたから夕日も朝日も自由自在に操ってあの小学校にまた通い音楽会やお祭のなか冒険心に身を任せて甲斐の無い散歩によく出掛けました。
そして、報われることのない過去への歪んだ旅のあとにはただ目覚めるだけの朝が来て、自分が眠ったまま決して静かに息を引き取ったりなどしないのだと分かった。