6月8日の詩2 砂
僕は小さくため息一つ
丘の上へ駆け上がって
夕日を見るのが好きだった
じりじり揺れる沈む夕日は
どうしようもなく大きな力そのものに見えた
済んだ言葉が心の中で繰り返される
君の声で繰り返される
返事はどうすればいい
なんて返せば100点だろう
迷う心が血をわきたたせて
僕はとっさに駆け出した
坂道だってもろともしないが
夕日に影を縫い付けられて
ああ、もうどこにもいけない
僕はこのままずっとここに居られたらよかった
もうどこにも行きたくはないが
砂になってあの空の方へずっと流されてゆけば幸せだった